2007年06月17日

911の進化 3(996,997)

■911の進化 3(996,997)

 ●996型 (1998年〜2005年、フルモデルチェンジ、エンジンの水冷化)

 ポルシェの最後の空冷エンジン搭載モデルである993型のあとにフルモデルチェンジした996型の登場は、歴代のポルシェ911シリーズの中でエンジンとシャーシについてもっとも大きなモデルチェンジとなりました。

996_gt3.jpg












 ウオータージャケットでシリンダーが覆われていない空冷エンジンでは、燃焼室の温度が上昇しやすいために高温時に発生する窒素酸化物の抑制が困難な状態にあり、騒音は冷却フィンとファンにより拡大されます。よって空冷方式では、排出ガスとエンジン騒音についての対策は、もはや限界があり、エンジンの水冷化はやむを得ない状況にありました。

 また、衝突安全性が大きくクローズアップされる時代に、スポーツカーとしてタイトな運転空間に固執したまま乗員の安全を確保することは、あまりにも無理難題だったのです。

 このような理由から、エンジンとシャーシの大幅な改良が行われ、デザイン的にも少々冒険した部分がありました。

 その外観上でまず目に付くのは、オープン2座のボクスターとほぼ同じデザインのフロントマスクです。これについては賛否両論があり、一部の熱狂的なポルシェ911マニアからはあまり歓迎されませんでした。

 しかし、静かで緻密なタッチでありながらパワフルな水冷エンジンと、シャーシコントロール性能の大幅な向上、そして室内空間の拡大による快適性・安全性の向上は、多くの裕福な顧客層から受け入れられ、世界的な大ヒットとなりました。

996_y.jpg















 また、この新開発水冷エンジンは、メンテナンスフリーについても考慮されたエンジンであり、耐久性が大幅に向上しました。

996_tu.jpg












 ●997型 (2005年〜)

 水冷化された996型が本来発揮するべきであったポテンシャルを、その時代の技術を駆使して可能な限り発揮できるようにした911シリーズの車が997型こと2005年型ポルシェ911です。

997_y.jpg



















 エンジンは、排気量について3.6Lと3.8Lの2種類が用意されました。

 外観上の大きな特徴であるヘッドライトは、993までの特徴であったシンプルな丸目1灯に戻り、日本のKOITO製のものが利用されています。

997_gt3.jpg


















 この記事へのトラックバック、コメントをお待ちしています。
posted by 911Guy at 05:20| Comment(0) | TrackBack(1) | ■ポルシェ911の変遷 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月16日

911の進化 2(964,993)

■911の進化 2(964,993)

 ●964型(1986年〜1993年)

 新世代の水冷FRシリーズであるコンパクトスポーツの944と、高級GTである928の販売台数が、予想を下回ったことにより、引き続き911シリーズはポルシェの主力となります。

 1989年にデビューした964は、930に外観上は似ていますが、約80%のバーツを新しいものにしています。

964_r_f.jpg
















 特にボディーが、一般的なモノコック構造となり、サスペンションのスプリングがトーションバー式から全てコイルスプリングに変更されたことが大きな変更点となります。

 この変更により、操縦性が格段に向上し「最新のポルシェこそ、最善のポルシェ」という言葉の価値が大いに高まりました。

 排気量は3.6リッターとなり、フルタイム4WD機構に加え、マニュアルシフトモードを持つATである「ティプトロニック」が加わっています。

 さらに2WDのカレラ2が追加され、レーシングバージョンのカレラRSも追加されています。


 ●993型(1993年〜1998年)

 993型は、最後の空冷エンジンモデルです。

 エンジン音も静かになり、快適性は向上していますが「ポルシェを着る」といわれてきたタイトな感覚が残る最後のモデルと言われています。

993_r_f.jpg





















993_r_r.jpg
 マルチリンク式リアサスペンションにより、リアフェンダーは大きなものとなり、リヤまわりのデザインも新しくなります。また、「太腿」と呼ばれたフロントフェンダーの高さは低くなっています。

また、ターボモデルでは初の4WDがラインナップしています。

 可変バルブタイミング機構であるバリオラムをエンジンに装備し、ボッシュのH.I.D.ランプシステム、「リトロニック」がオプション設定されました。



 この記事へのトラックバック、コメントをお待ちしています。
posted by 911Guy at 04:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ポルシェ911の変遷 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月15日

911の進化 1(901,911,930)

■911の進化 1(901,911,930)

 ●901型(1963年発表)

 356シリーズに続く次のポルシェの最初の生産型は開発コードの901をとって901型と呼びます。

901_bw.jpg


 901型は、写真でもわかるようにクロームメッキのスチールホイルが特徴です。ほんの少数だけ生産されました。







901_cata.jpg























 ●911型 (1964年生産開始〜1974年、通称ナロー911、ナローポルシェ)

 356の後継車としてデビューした911は、新しい空冷水平対向6気筒2リッターエンジンを搭載していました。

 1967年には180馬力を誇る911Sが追加されました。911は仕様の違いにより、T、E、Sの3グレードがありました。

911_ys.jpg














 1969年にはホイールベースを57mm延長して操縦性が大きく改善され、1970年には排気量を2.2リッターに拡大し、パワーがアップしています。

 1973年には、名車カレラRS2.7を発表。

911rs73_s.jpg
















 この1973年までのモデルは、車幅が狭く特に操縦しやすいモデルであり、通称「ナロー」と呼ばれます。古くからのカーマニアは、このナロー(狭いの意)こそが911シリーズの原点であり、その設計思想がもっとも反映されたモデルであると主張します。

 なお、当初は、ポルシェ912というモデルもあり、これは、911が前代の356に比べて高価になってしまったため、911の車体にフォルクスワーゲン・ビートルの4気筒エンジンを搭載したものです。

 この912という廉価(れんか)版は、日本にも少数存在し、ドイツ本国では当時かなりの台数が生産されました。


 ●930型 (1974年〜1986年、通称ビッグバンパー)

 911の1974年モデルでは、米国の保安基準に合った5マイル(約時速7km)バンパーが装着され、通称「ビッグバンパー」と呼ばれます。

930_b_s.jpg












 また、フル装備の911SCSが販売され、オープンカーのカブリオレとさらに軽量化されたスピードスターも追加されました。

930speed_s.jpg










 1984年には3.2リッターとなり、馬力が1973年のカレラRSを超えたことから、高性能モデルにのみ与えられていたカレラの名称はターボ以外のモデル名として使用されることになりました。

930_r_r.jpg













 1976年以降は亜鉛防錆処理がされて、ボディの耐久性が大幅に向上しました。

 トランスミッションに関しては、1986年までは、915型と呼ばれるポルシェ社内製のトランスミッション(ポルシェシンクロ)を利用し、1987年からはボルグワーナー式のゲトラグ製G50ミッションを採用しています。

 そのようなわけで、ポルシェらしい操作フィーリングを味わえるのは、1986年のモデルまでと言えるかもしれません。

 そして、1976年には、260馬力の3リッターターボエンジン搭載の930ターボが登場します。高価でありながら大好評を得ます。この「930ターボ」は、1978年から「911ターボ」に改名されました。

930turbo_s_f.jpg


















 この記事へのトラックバック、コメントをお待ちしています。 
posted by 911Guy at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ポルシェ911の変遷 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月14日

911の名前の由来

■911の名前の由来

 ポルシェ911は、ポルシェ356の後継車として1963年のフランクフルトショーに開発コード901の名でデビューしました。

 当初は「901」と名乗っていましたが、フランスのプジョーが3桁数字の中間に0の入った商標をすべて登録しており、やむおえず「911」と改めました。

901_fls2.jpg















 
 前代の356と同様にRRの駆動方式を採用し、現在においてもスポーツカーを代表する名車といえます。

  歴代のポルシェ911シリーズの形式名について以下に記します。

   901型 (1963年発表)
   911型 (1964年生産開始〜1974年、通称ナロー911)
   930型 (1974年〜1986年、通称ビッグバンパー)
   964型 (1986年〜1993年、4WD、ティプトロの登場)
   993型 (1993年〜1998年、ワイドボディ)
   996型 (1998年〜2005年、フルモデルチェンジ、エンジンの水冷化)
   997型 (2005年〜、性能・耐久性の大幅な向上)


 以上の各モデルの詳細については、「911の進化」のページにて記します。


 


 この記事へのトラックバック、コメントをお待ちしています。
タグ:ポルシェ911
posted by 911Guy at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ポルシェ911の変遷 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



     ■ ポルシェな夢想家 ■