2008年05月12日

初期のタルガ

■初期のタルガ

 1965年から1968年のごく初期911のタルガは、リアがガラスではなくてビニール製で、ジッパーで開閉していました。

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 1969年からはガラスのリアウィンドウ(それまではオプション設定)となりました。



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 このように初期のタルガは、オープン感が強く、ステンレス製のしゃれたロールバーがついている感じでガラス製のリヤガラスがつくモデルとは、全くイメージが違います。

 この手の車は、見ていてはじめは奇異に感じますが、アクティブでユニークな人が使うと楽しいカーライフを送ることができます。

 一通り色々な車を乗りこなした人の車です。

 また、当然ですがリヤガラスがない分だけ軽量となります。

 もし、このようなタルガが手に入れば、ナローでかつショートホイールベースでレア度(希少度)この上ありません。

 でも、手に入れるのは、改造でもしない限り至難の業でしょう。
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希少価値のショートホイールベースポルシェ

■希少価値のショートホイールベースポルシェ

 ポルシェ911の初期のタイプを、車幅が狭いことから「ナロー(幅が狭いの意)」と呼びます。

 そして、そのナローポルシェのうち1965年から68年の4年間製造された車体は、ホイールベース(前車軸と後車軸間の距離)が2211mmしかなく、特に「ショートホイールベース」と呼び、大変希少価値の高いモデルとなります。

 「ショートホイールベース」のため外見上は、リヤオーバーハング(リヤタイヤからリヤバンパ端までの距離)が、その後のモデルよりもわずかに長いのが特徴です。

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 その後、1969年にホイールベースは2268mmとなり、1972年に2271mmとなって、空冷最後のタイプ993が生産を終了する1997年まで続きます。




 ホイールベースの寸法は、その車のトレッド(左右のタイヤの接地面中心間の距離)と関連して走行性能に深く関係します。

 一般にホイールベースが短い車は、小回りがきき、すばしっこい性格になります。

 逆にホイールベースが長い車は、小回りがきかなくなりますが、車体の揺れが少なく、
高速での直進性も向上します。また、車内が広くなり居住性も向上します。

 ポルシェは当初、通常速度域での回頭性やコーナリング性能を重視していましたが、制限速度のないアウトバーンでの200Km/h以上の高速走行時の安定性を考えてロングホイールベース化を進めていったようです。

 このように、大変高価なモデルであるにもかかわらず最先端技術を惜しみなく投入し、毎年改良を加えて最新型を世に送り出すポルシェの企業理念は、その年に高額を払って購入したポルシェオーナーに満足を与えるのです。

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2007年08月02日

伝説のアイドリング発進について

■伝説のアイドリング発進について

 ポルシェに関するあまりにも有名な伝説の一つが、「アイドリング発進伝説」です。

 911に関する逸話として、よくでてくるもので、わたしも今まで何度か雑誌等で読んだことがあります。


 どのようなものかと言いますと、ポルシェは、高価なエンジンや駆動系を守るためにクラッチが弱く設計されていて寿命が短く、かつ交換すると大変高価なものになるとの噂があります。

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 だから発進の際は、アクセルをまったく踏まずにアイドリングの状態で静かにクラッチをつなぐアイドリング発進が原則であるとの説が、かの有名な「アイドリング発進伝説」です。

 ポルシェをこれから所有することを夢想しているわたしとしては、964以降のオートマチックであるティプトロを希望していても、ひょっとしてマニュアルを所有するかもしれないので、とても気になる噂であり、他にも同じ気持ちの人がいると思うので調べてみました。

 この伝説について詳しく解説している記事が『THE 911 & PORSCHE MAGAZINE』の2000年夏NO.25にありましたので要約します。
 

 まず、なぜアイドリング発進が行われるようになったのかについてです。

 ポルシェの正規ディーラーで長年働いている整備士の方に聞いたところ、70年ころまでの911は、高回転型のエンジンで低回転時のトルクが細く、フライホイールも軽量なために発進が難しかったのだそうです。

 また、クラッチカバーのプレッシャープレートが軽量化のために銅でできていたり、アルミにメッキをしたものだったりして耐久性がなかったようです。

 そのような状況の中で、整備士たちは、お客様の911をアクセルペダルをまったく踏まないで発進して大切に扱うようになったようです。そのような整備士の扱い方を見て、いつの間にかオーナーにも広がり、それが911を大切に扱う正しい方法として伝説化していったのだと思われます。

 ただし、このアイドリング発進は、クラッチをつなぐときに必ず回転数が下がるので、エンジンが止まりそうになったらクラッチを深く踏んで止まらないように調整をする必要があります。キャブレターの混合気の設定を薄目に設定していて、低回転時のトルクが細い場合にはできなかったようです。

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 耐久性の問題から、70年代以降のクラッチカバーは、スチール製となり、70年以前の911用の補修用クラッチカバーもスチール製となりました。よって、現在はクラッチの耐久性については一般車とまったく変わらない状態にあります。

 このようなわけで、「過去にはアイドリング発進が必要なほど耐久性を犠牲にしてまでも軽量化されたクラッチカバーが存在していたが、現在はもうスチールの対策品に交換されているはずでアイドリング発進は不要になった。」というのが答えになると思います。

 なお、この問題の初期の軽量なクラッチカバーは、まだ部品として販売されておりアクセルの反応の良いチューンナップをする場合に利用されているとのことです。

 あの、初期の911のエンジンがカミソリのように鋭く立ち上がるエンジンであると言われたのは、このあたりが一部影響しているのかもしれません。

 1500回転以下で発進する常識的な使い方をすれば、ポルシェのクラッチは5万キロは十分にもつそうです。でも、太いタイヤをはいた大パワーのスポーツカーですので、国産の一般車と比較すると、ややクラッチの寿命が短いとのことです。

 ディーラの記録では26万キロももたせた人がいるそうです。もちろん、アイドリング発進をした方がクラッチは長持ちしますが、それはどの車についても同じことが言えます。

 また、駆動系が高い精度でできていて遊びがなく、クラッチを弱くして衝撃を吸収するしかないとまで作り話をする人がいるそうですが、これも単なる噂でしかないようです。

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 ただ、911はクラッチにまつわる話がもう少しあり、84年以降の993までの間にアイドリングスタビライザーという装置が取り付けられていました。これは、アクセルペダルを踏んでいない状態であれば、どのような状況でもアイドリング回転数を一定に保つというものでした。

 ですから、これを装着したモデルは確実にアイドリング発進ができたのです。初心者が下手にアクセルペダルを踏むと、かえってアイドリングが保たれずにギクシャクしました。

 それから、電子制御燃料噴射装置になってからエアフローセンサーが不調の場合、アクセルペダルを踏んだときにスムーズに回転が上がらずに発進が困難になりました。このような場合があったため、911はアクセルを踏むと発進が難しくなるとの誤解が一部でうまれてしまいました。

 そして、クラッチディスクには、つないだときのショックを緩和するために、トーショナルダンパー(フリクションダンパーとも呼ぶ)が中心部に内蔵されています。これがスプリングタイプの場合は耐久性が高いのに対して、フィーリングがマイルドになるラバー(ゴムのこと)タイプの場合には耐久性に問題があり、これにより「ポルシェのクラッチは弱い」との噂ができてしまったとの話もあります。

 この両タイプのクラッチディスクは、年式やその部品が供給される時期によっても違いがあり、どのようなものが手に入るかは時の運のようです。

 心配なクラッチの交換費用の方ですが、ディーラーや状態にもよりますが930までなら10万円台、ツインマスホイールとなる964からはぐっと高くなるそうです。

 わたしが、もしマニュアルの911を手に入れたら、アイドリング発進はしないで、タイヤの摩耗とクラッチへのストレスを考えて1500回転以下で負担をかけないようにスムーズに発進してドライブを楽しむでしょう。

 もちろん、いつクラッチがだめになっても十分な修理費が払える状態になってからポルシェを所有した場合でのお話です。

 みなさんから注目されるあこがれのポルシェが、アイドリング発進でもたもたとスタートするのはいかがなものかと思います。

 ところで、911を整備したこともある下町のいぶし銀のベテラン整備士は、きっとアイドリング発進を911の大切な儀式として認識しているはずですので、以上の蘊蓄(うんちく)をもって言い争わないようにしましょう。




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     ■ ポルシェな夢想家 ■